脳神経外科・脳血管内治療科

当科について

脳神経外科では、脳神経センターで扱う脳神経系の疾患のうち、外科的治療と関連する診断および治療を脳血管神経内科と連携をとりながら行っています。 当科は年間約200件以上の手術件数を誇る済生会神奈川県病院脳神経外科より移行し、 最先端の各種手術ならびに検査機器を充実させてより高度な治療を目指しています。

脳神経外科・脳血管内治療科で診る病気

脳腫瘍、脳動脈瘤脳血管奇形もやもや病、脳出血、頭部外傷、水頭症等の先天性奇形、脳膿瘍等の感染性脳疾患、顔面痙攣や三叉神経痛等の機能的疾患 など

診療内容と特色

脳腫瘍には、治療法の組み合わせにより最適な治療を提供します

脳腫瘍の治療に手術・放射線治療・化学療法の3つの治療法を組み合わせ、ナビゲーションシステムと神経内視鏡を使用。摘出が困難とされる頭蓋底腫瘍に対しても慶應義塾大学と提携し、最先端の手術を提供しています。脳下垂体腫瘍に対しては耳鼻咽喉科と連携して経鼻的神経内視鏡システムを用いてからだに負担の少ない手術を行っています。また、サイバーナイフ定位的放射線療法も設置され、転移性腫瘍や摘出困難な頭蓋底腫瘍など腫瘍の種類に応じて放射線治療科と連携したトータルケアが可能となっています。当院では日本がん治療認定医機構がん治療認定医も在籍し、遺伝子診断が脳腫瘍診断・治療に必須となった現代、慶應義塾大学病院と連携することで遺伝子解析も行っています。

24時間の救急体制

脳血管障害には、当科と脳血管・神経内科からなる脳神経センターにて24時間救急体制を敷いており、手術の必要な脳内出血やくも膜下出血の患者さんは当科にて治療を行います。くも膜下出血を起こした破裂脳動脈瘤に対しては24時間体制で、脳神経外科専門医による開頭クリッピング術と、脳血管内治療専門医によるコイル塞栓術が可能であり、患者さんの状態に合わせて常時適切な治療が選択できる体制となっています。

未破裂脳動脈瘤に関しては、開頭クリッピング術または血管内治療(コイル塞栓術、フローダイバーター治療等)など、患者さんに合った治療法を選択可能です。また、閉塞性脳血管障害、もやもや病に対するバイパス手術、頚部内頚動脈狭窄症に対する血栓内膜剥離術またはステント拡張術など、すべての脳血管障害の外科治療に対応しています。

各分野において高い技術を持った専門医が治療を実施します

神経内視鏡技術認定医により、経鼻的内視鏡下腫瘍摘出術、内視鏡下血腫除去術や内視鏡による第三脳室開窓術等の神経内視鏡手術も推進しています。脳血管内治療専門医も複数名在籍し、フローダイバーター留置やOnyx塞栓といった専門性の高い治療も実施医が複数名在籍し、可能となっています。

脳血管内治療科について

2009年より脳血管内治療科が設置されました。脳血管内治療とは、脳神経系疾患に対する多様化する治療法の一つです。皮膚を切ったり頭蓋骨を割ったりすることなく、血管の中からアプローチする新しい手術法です。足の付け根や肘の内側などからカテーテルを挿入し、さらに細いカテーテルを病気のある部位まで進め、さまざまな道具や薬品を用いて病気を治療します。従来の手術では治療困難であったものや侵襲の大きかったさまざまな疾患が治療可能となります。

脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血が起こるため、出血予防の手術が行われます。従来は開頭してクリップを脳動脈瘤の根元にかけるクリッピングといわれる手術が第一選択でした。脳血管内治療では、マイクロカテーテルを介して柔軟なコイルを脳動脈瘤の中に留置し、病変部を閉塞します。深部の動脈瘤や合併症などのためにクリッピング術が困難である場合にも治療可能です。ただし、病変部の形状によってはクリッピング術をおすすめする場合もあります。個々人に最適な治療方法を専門医が判断します。

当院では、2008年4月より保険承認された頚部頚動脈狭窄に対するステント留置をはじめ、鎖骨下動脈などのステント留置、頭蓋内血管狭窄病変に対するPTA、脳腫瘍、硬膜や脳の血管奇形に対する塞栓術等、脳血管内治療を、脳血管内治療専門医が積極的に行っています。手術に使われるカテーテル、コイルなどの道具は近年めざましい進化を遂げており、対象疾患は拡大傾向にあります。未破裂脳動脈瘤に対する最先端の治療であるフローダイバーター治療も当院では可能であり、年間約20件の件数を行っています。また、当院では24時間救急体制をとることで、超急性期脳梗塞に対する脳血栓回収術も積極的に行っています。

診療実績

2020 2021 2022 2023 2024
手術総数(サイバーナイフ件数を除く) 398 418 306 431 464
脳腫瘍摘出術(下垂体を除く)
脳下垂体腫瘍
41
6
52
5
44
6
47
13
46
4
脳動脈瘤根治術
   脳動脈瘤クリッピング術
   脳動脈瘤脳血管内手術
66
   32
   34
60
   23
   37
51
   18
   33
58
   12
   46
75
   18
   57
バイパス術
頸動脈内剥離術(CEA)
2
0
3
3
1
1
0
0
1
0
脳血管内手術総数
    脳動脈瘤脳血管内手術
      うちフローダイバーター留置術
    頸動脈ステント留置術
          急性期脳梗塞に対する血栓回収術
    脳血管内手術その他
120
   34
   3
   10
   32
   48
135
   37
   11
   19
   37
   42
84
   33
   7
   13
   17
   21
138
   46
   13
   29
   23
   40
166
   57
   14
   36
   32
   41
頭部外傷(血腫除去など)
慢性硬膜下血腫
脳内出血
水頭症手術(シャント術など)
31
54
20
33
37
49
16
30
16
49
14
31
26
61
24
43
20
56
32
33
サイバーナイフ治療(脳神経外科領域) 50 59 39 18(更新) 47

スタッフ紹介

副院長
脳神経センター長
脳神経外科部長
■稲葉 真
(
いなばまこと)

慶應義塾大1990年卒

専門分野

脳神経外科

特に専門としている分野

脳動脈瘤、脳腫瘍、バイパス手術、もやもや病の手術、頚部頸動脈内膜剥離術、神経内視鏡下経鼻腫瘍摘出術、頭蓋底腫瘍、良性腫瘍(聴神経腫瘍、髄膜腫など)、間脳下垂体腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫など)、顔面痙攣、三叉神経痛の手術

学会専門医・認定医

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中外科学会技術指導医
日本救急医学会専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本脳卒中学会専門医・指導医

脳血管内治療科部長
■各務 宏
(
かがみひろし)

慶應義塾大1991年卒

専門分野

脳神経外科

特に専門としている分野

脳動脈瘤、脳腫瘍、脳血管内手術(脳動脈瘤コイル塞栓術、フローダイバーター留置、頸動脈ステント留置、脳動静脈奇形、内頸動脈海綿静脈洞瘻、硬膜動静脈瘻、脳梗塞急性期再開通療法など)、頭蓋底腫瘍、良性・悪性腫瘍、機能外科(顔面痙攣・三叉神経痛)、神経内視鏡手術、スポーツ頭部外傷

学会専門医・認定医

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本救急医学会専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本体育協会スポーツドクター

脳神経外科医長
■金澤徳典
(かなざわとくのり
)

慶應義塾大2010年卒

専門分野

脳神経外科

特に専門としている分野

脳腫瘍(悪性、良性含む、特に神経膠腫)、脳血管内手術(脳動脈瘤コイル塞栓術、フローダイバーター留置、頸動脈ステント留置、脳動静脈奇形、内頸動脈海綿静脈洞瘻、硬膜動静脈瘻、脳梗塞急性期再開通療法など)、痙縮治療、水頭症

学会専門医・認定医

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
博士

脳神経外科医長
■笹尾亮太
(ささおりょうた
)
慶應義塾大2013年卒

専門分野

脳神経外科

学会専門医・認定医

日本脳神経血管内治療学会 脳血栓回収実施医
日本脳神経外科学会 脳神経外科指導医
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
厚生労働省 緩和ケア研修会修了

脳神経外科専攻医
■吉田大智
(よしだたいち
)
慶應義塾大2022年卒

専門分野

脳神経外科

医師募集

脳神経外科・脳血管内治療科では、手術件数の増加に伴い、脳神経外科医、脳血管内治療医を募集します。

当科では年間400件以上の手術があり、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷症例のバランスが取れているのが特徴です。また脳血管内治療専門医も2名在籍し、脳血管内治療の件数も豊富です。最先端の手術機器も常備し、ハイブリッドカテーテル室、ハイブリッドERも常設している恵まれた環境のなかで、まんべんなく手術症例を経験したい、subspecialtyを極めていきたい、いずれの方でも歓迎します。

興味のある方はお気軽にお問合せください。

問い合わせ先

済生会横浜市東部病院
脳神経外科 稲葉 真
TEL:045-576-3000(代表)
MAIL:m_inaba@tobu.saiseikai.or.jp

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