患者さんのための地域連携

地域の患者さんに、安⼼して医療を受けていただくための地域連携。

高齢化によって増え続ける医療費を抑えるために、国は2025年を⽬標に病院のベッド(病床)数を減らし、⾼度な医療を必要としない⼈を⾃宅や介護施設での療養に移⾏する⽅針を⽰しました。

鶴⾒区唯⼀の高度急性期病院である当院では、⾃宅や介護施設へ移った患者さんが住み慣れた地域で⾃分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう、開院当初から「地域完結型医療」を強く推進し、多職種・多施設の連携によって地域ぐるみで⽀える体制づくりに努めてまいりました。

患者さんに安⼼して過ごせる地域完結型医療の構築には、なによりも地域の医療機関同⼠の緊密な連携が必要です。地域の先⽣⽅には、「連携登録医」としてきめ細かな連携を行うパートナーになっていただき、より質の高い患者さん中⼼の医療をご⼀緒に目指したいと考えております。

医療連携センター長:宮城 盛淳(Moriatsu Miyagi)

地域全体で患者さんを支えるための 紹介制度・逆紹介制度を推進

当院では地域における医療機関の機能分担を図るため、救急を除く初診外来では、診療所や⼀般病院からご紹介いただく紹介制度を基本としております。当院での診断・治療の後は紹介元の医療機関へ逆紹介をいたします。⽇常の疾患管理は地域の診療所や⼀般病院の先⽣⽅に診ていただき、定期的な検査や⼊院は当院が担当する「2⼈(ダブル)主治医制」を実施して、地域全体で患者さんを⽀えるシステムづくり(病診連携)を推進しています。

紹介・逆紹介の推移

より多くの患者さんに高度医療を提供するために

地域の⾼度急性期病院として、より多くの患者さんに救急医療、⾼度専⾨医療を提供できるよう、当院では急性期治療を終えた患者さんには、連携先の病院へ転院していただくか、かかりつけ医による在宅医療を受けていただくようお願いしております。退院後も安⼼して治療を継続できるよう、病状の急変時や専⾨的な検査・治療が必要な場合にはすぐに当院で対応できる体制を整える(病病連携)ほか、⽼健施設、在宅訪問看護ステーションなど介護施設との連携(病介連携)を深め、⼈⽣の最期まで住み慣れた地域で適切な医療と介護を受けられる病院連携ネットワークの構築をめざします。

医療・福祉のいまを担うキーパーソンと考える:鶴見区地域包括ケア

公益財団法人 横浜勤労者福祉協会 汐⽥総合病院 理事長 窪倉孝道

汐⽥総合病院

地域包括ケア病棟の開設により、シームレスな医療を提供

東部病院の在宅療法後⽅⽀援病院として急性期を終えた患者さんを受け⼊れると同時に、在宅復帰に向けて医療管理や診療、リハビリテーションや在宅⽀援など総合的なケアも行っております。平成28年1⽉からは「地域包括ケア病棟」の運⽤をスタートし、急性期から在宅復帰まで切れ⽬のない医療を提供できる体制を整えました。急性期と在宅の中間的な役割を担う病院として、これまで以上に地域医療に貢献してまいります。

横浜市鶴見消防署 消防署長 齋藤俊彦

鶴見消防署

主治医やご家族と情報を共有し、的確な救急搬送につなげる

救急救命活動は病院と患者さんをつなぐ最初の点であり、いかに的確な病院に搬送できるかが重要になります。患者さんの病状や、ご本⼈がどこまでの医療処置を希望しているのかといった情報を主治医の先⽣や介護者の⽅とも共有しながら、東部病院と鶴⾒区の6病院で連携いただいている救急搬送のルールに従って、より緊急度の⾼い患者さんに救急を割り振れるよう努めております。また、未然にけがや⽕災の発⽣を防ぐため、ご家庭に伺って指導を行う「防災訪問」も実施しています。

西神奈川ヘルスケアクリニック 院長 赤羽重樹

西神奈川ヘルスケアクリニック

⾏政区の枠を超えた医療連携で、在宅医療の需要に応えたい

私は神奈川区にあるクリニックで外来診療と訪問診療にあたっております。神奈川区内には現在、⾼度急性期病院がないことから、東部病院は鶴⾒区にありながら神奈川区の医療も⽀える存在です。鶴⾒区と神奈川区は、共に今後15 年程度は⼈⼝が増え続け、特に65歳以上の⾼齢者の増加が⾒込まれています。今後も⾏政区の枠を超えて連携し、地域の⽅々が安⼼して在宅医療を受けられる体制の確⽴をめざしていきたいと思います。

鶴⾒区医師会在宅部⾨ 統括責任者 栗原美穂子

鶴⾒区医師会在宅部⾨

医療と介護の連携を促進し、患者さんが安⼼して暮らせる体制づくりを

訪問看護ステーションや介護⽀援ステーションを併設し、⾃宅に戻られた患者さんやご家族の⾝近な相談窓⼝として医療・介護に関するサポートをしております。平成22年には、東部病院をはじめ地域の医療・介護施設に参加いただいて、地域連携について考える「つるみ在宅ケアネットワーク」を設⽴しました。当ネットワークで発案した「連携ノート」は、病院と地域を結ぶ橋渡しとして患者さんに活⽤いただいております。医療と介護の多種職連携を深めるために、鶴⾒区の医療・介護関係者を招いた合同勉強会の開催や、配偶者を亡くされた⽅の遺族会の運営といった活動も⾏っています。

東部病院 救急科部長 山崎元靖

東部病院救急科

人生の最期こそ本人が望む医療を

救急医療の現場にいま高齢患者さんが増えています。その中で救命というよりも、看取りというべき場面が急増しています。

そして地域の中核病院への「看取り搬送」の増加が、本来の救命のための医療を逼迫させかねない状況になっているのです。東部病院は高度急性期病院にあたり、救命救急センターに指定されています。119番通報をしてここに搬送されれば、穏やかな死は選択肢にありません。交通事故や心筋梗塞など一刻を争う重篤な患者さんを受け入れ、あらゆる手段を用いて蘇生し、生命を救うことがセンターの使命だからです。

高齢化が急速に進む社会では、高度急性期病院に搬送されたことで、望まない最期を迎えるケースが増加していきます。逆に言えば、穏やかな治療を行いながら自然な経過を見守り、最終的には穏やかな最期を看取ることは、高度急性期病院以外の病院や施設、在宅でこそ実践できるものです。