血管外科

血管外科について

本格的な社会の高齢化にともない、著しく増加している末梢血管疾患に対して、本邦では数少ない血管外科専門医による診療を行なっています。当院の血管外科は、心臓以外のすべての血管(腹部、腕、下肢、頸部)を扱うスペシャリストとして、手術治療ならびに血管内治療(カテーテル治療)のそれぞれの利点と特性を生かし、低侵襲治療を念頭においた血管病の診療に努めております。 

対象疾患

「腹部大動脈瘤」

 腹部大動脈瘤とは、腹部大動脈が3cm以上に膨らんだものをいいます。
 腹部大動脈瘤は、通常痛くも何ともありませんが、ひとたび破裂すると高率に命を落とす危険な病気です。腹部大動脈瘤は、動脈瘤の大きさが5cmを越えると破裂の危険が高くなることが知られており、治療の対象となります。逆にいえば、5cmに充たない動脈瘤は破裂の危険は極めて少ないため、慌てて手術する必要はありません。通常、6ヶ月~1年ごとに超音波検査やCT検査で定期的に検査して動脈瘤の大きさが大きくならないかを定期的に観察することが一般的です。
 腹部大動脈瘤の治療方法には薬物治療は存在せず、原則的に手術療法の適応となります。手術方法は、ステントグラフト内挿術というカテーテル治療(脚の付け根を数cmのみ切開してカテーテルを挿入して行う治療)が一般的となっています。
 当院では、2009年に実施医基準、施設基準ともに横浜市内でもいち早く取得し、現在まで200例以上の症例を重ねて参りました。現在までのところ、初期成功率は100%であり、重篤な合併症は1例も認めておりません。
 治療スケジュールは、基本的に手術前日にご入院いただき、術後3~5日で退院して頂いております。一方で、カテーテル治療が困難なタイプの動脈瘤の方には、従来の方法である開腹人工血管置換術を行います。この場合は1週間から10日間ほど入院して頂くのが一般的です。開腹手術であっても非常に安定した成績をおさめています。
 破裂性腹部大動脈瘤は、標準的治療法である開腹人工血管置換術を施行しても非常に救命率の低い病態です。本邦では、破裂性腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療は一般的ではありませんが、当院では倫理委員会承認のもと臨床研究として施行しており、良好な結果を維持しております。
また当科では、腹部大動脈瘤治療に関して、以下のような質問に対するセカンドオピニオンにも対応しております。
・自分の腹部大動脈瘤は本当に手術しなくてはいけないのか?
・手術できないといわれたが本当に手術できないのか?
・自分の手術はどれほどの危険があるのか?
・自分が受けようとしている手術方法は適切なのか?(開腹手術か?カテーテル手術か?)
など、幅広く相談に応じておりますので、前医に気兼ねすることなくお気軽におたずねください。

「下肢閉塞性動脈硬化症」

 下肢の動脈が閉塞すると、脚が冷たい、歩くとだるくなる(間欠性跛行)、キズが治りにくい、壊死してきたなどの症状が現れます。
 下肢の動脈閉塞に対してはカテーテル治療が一般的となっていますが、病変が長いものや膝下の病変では、カテーテル治療の成績はまだまだ良好とは言いがたいのが実状です。
当院では、手術治療(バイパス手術)と血管内治療を同時に行なうハイブリッド手術を神奈川県内で先駆けて行なっており、多くの診療経験と実績があります。個々の患者さんのADLやご希望に応じ、バランスのよい医療を心がけています。

「下肢静脈瘤」

 下肢静脈瘤は良性疾患です。あしが腐ったり、歩けなくなったりすることはありません。 また、「血栓が飛びやすい」「エコノミークラス症候群になりやすい」ということもありません。下肢静脈瘤の患者さんで治療をお勧めするのは、以下の状態の方です。
・あしがだるい、むくむ、最近痛みが出てきた、かゆい、よくつる、などの症状がある方 ・あしのボコボコが気になってスカートがはけない、プールや温泉に行けないなど見た目が気になる方
・皮膚が茶色くなってきた、湿疹が治らない方
 下肢静脈瘤の手術治療は、2011年にElvesレーザー治療が保険収載されて以来、国内でもレーザー治療が保険で行える標準治療となってきました。われわれの経験でも、手術治療が必要な症例の約90%に低侵襲なレーザー治療が可能となっています。 レーザー治療ができない症例やリスクの高い症例では、済生会横浜市東部病院にてストリッピング手術(小さなキズから壊れた血管を抜き取る手術)で対応させていただきます。入院でのレーザー治療をご希望の患者様には、済生会神奈川県病院にて一泊二日の入院での治療を行っています。両下肢の同時治療も可能です。
 
 以上のように、患者さんのニーズに応じた多様な診療体制をとっておりますので、何なりとご相談いただければ幸いです。

 

「透析用バスキュラーアクセス(シャント)」

 シャントの造設(作製)から、シャントトラブルに対する血管内治療による修復まで、われわれ血管外科医が統括して施行しています。
可及的迅速に対応いたしますので、維持透析導入例、シャント作成困難例、シャント血流低下例がございましたらお気軽にご相談ください。他院でシャントが作れないと言われ諦めている方も是非ご相談ください。
近年の保険改訂により、血管内治療の実施基準が3ヵ月に1度となりました。早期再発症例などでは、症例に応じて血管内治療の継続、あるいは再造設を的確に判断し対応させていただいております。また、緊急性がない症例では、予定を組んで日帰りでの治療を積極的に導入しております。

「静脈血栓塞栓症」

 静脈血栓塞栓症とは、下肢深部静脈血栓症と肺塞栓症を合わせた総称(エコノミークラス症候群と俗称されています)です。下肢深部静脈血栓症は、長時間の乗り物や同じ姿勢により下肢の静脈内に血栓を生じる病態です。急激に下肢が腫れたり、痛みを伴ったりすることで発症します。
 下肢深部静脈血栓症は、血液検査 (Dダイマーという検査値)と下肢静脈超音波検査により、受診当日に診断することが可能です。急性期症例であっても、薬物の進歩により基本的には外来通院での飲み薬で治療が可能になりました。肺血栓塞栓症や、その危険がある症例に対しては、入院での安静や酸素投与を行なうこともあります。

「漢方治療」

 足に関する患者さんの愁訴は、むくみ、しびれ、痛み、こむら返り、冷感等々、多岐にわたりますが、精査を行なっても原因が明らかとならないことは実地臨床でよく経験することです。そのような患者さんに当科では漢方療法を行なっております。すべての患者さんの愁訴が解決するわけではありませんが、実際、漢方療法が著効することもあります。お困りの際はご相談ください。

診療実績

スタッフ紹介

部長代理
■下河原達也(しもがわらたつや)
慶應義塾大2010

専門分野

血管外科・消化器外科

特に専門としている分野

末梢血管外科

学会専門医・認定医

日本外科学会専門医
日本脈管学会専門医
心臓血管外科専門医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部大動脈瘤ステントグラフト実施医・指導医
厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会修了

 

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