皮膚がん
当院での皮膚がん治療
皮膚がん治療は、がんの種類や進行度に応じて異なりますが、手術療法・化学療法・放射線療法・免疫療法などがあります。治療方針決定にあたり、診療ガイドラインを基本としたエビデンスに基づき、患者さんの状態に応じて適切な治療方法を検討し、提供いたします。
皮膚がんとは
皮膚を構成する細胞由来のがんの総称であり、代表的なものとしては有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病などがあります。その他、皮膚にある汗腺や脂腺、血管、神経、リンパ球など様々な構成細胞由来のがんがあります。
有棘細胞癌
しこりとして出現し徐々に増大する場合や、潰瘍を作る場合など様々な形態をとります。巨大化すると悪臭を伴うことがあります。前癌病変にボーエン病や日光角化症があります。ボーエン病は直径数cm程度の円形から楕円形で赤から褐色がかった斑で、軽度の隆起や表面に鱗屑や痂皮が付着することがあります。日光角化症は紫外線のダメージを受けやすい顔や耳、手の甲などに鱗屑を伴う数cmの紅斑として見られます。
基底細胞癌
目の周りや鼻の周囲などに好発する黒色から灰黒色の隆起性の病変で、潰瘍を伴うことがあります。転移は稀ですが、放置すると周囲に広がって組織を破壊していきます。
悪性黒色腫
メラニン色素を産生する細胞(メラノサイト)由来のがんです。最初は黒いシミとして始まり、徐々に不規則な形をとって広がったり、色むらが生じたり、結節を作ったりします。
乳房外パジェット病
外陰部や肛門の周囲に自覚症状を伴わない淡紅色の局面として発症します。進行するとびらんや痂皮が生じ、硬結や結節ができることがあります。
診断方法
表在性の腫瘍の場合には視診やダーモスコピーを用いた視診によりある程度見当がつきますが、診断確定するために皮膚生検を行う場合もあります。その他、エコー、CT、MRI、PET-CTなどの画像検査により腫瘍の性状や広がりを調べます。
治療方針
手術で切除可能な場合には多くは手術療法が第1選択になります。進行期には手術療法の他に抗がん剤や放射線療法など患者さんの状態にあわせて適切な治療方法を用います。近年では進行期の悪性黒色腫に対する免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)や分子標的薬(BRAF阻害薬/MEK阻害薬)を用いた治療など、治療方法の進歩が著しく、ガイドラインに沿ってこれらの治療法を取り入れています。
診療実績
2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | |
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良性腫瘍摘出術 | 305 | 271 | 188 |
皮膚悪性腫瘍切除術 | 37 | 24 | 23 |
植皮術、皮弁作成術 | 20 | 21 | 14 |