乳がん
乳がんとは?(原因・発生・進行等)
乳がんは乳房にある乳腺に発生する悪性腫瘍です。乳房は乳腺組織とそれを取り囲む脂肪組織から構成され、それらを皮膚が覆っています。乳腺は20個ほどの腺葉に分画されており、乳頭を中心に放射状に配列しています。各腺葉は乳汁産生工場である20~40個の小葉と乳汁を乳頭まで運ぶ乳管系から構成されています。がん細胞は乳管・小葉系の中に発生します。がん細胞が乳管や小葉内に留まっている状態を非浸潤がんといい、乳管や小葉の外に拡がった状態を浸潤癌といいます。
症状
早期の段階では自覚症状に乏しいです。自覚症状として多いのは、乳房のしこり、乳頭からの分泌などです。月1回、自己検診でこれらの症状がないか調べてみるとよいでしょう。自己検診により日頃の乳房の状態や月経周期による変化を知っておくことが重要です。視診では乳房の変形、皮膚の色調変化、陥凹などをみます。触診で腫瘤、硬さ、乳頭分泌などを調べましょう。進行した乳がんでは乳房の発赤や腫れ、浮腫を認めることがあります。異常を自覚した場合は医療機関を受診しましょう。
診断方法
診断には、まず問診、視触診、マンモグラフィ、超音波検査が行われます。画像検査で良悪性の区別がつかない病変やがんが疑われる場合には、細胞診や組織診が行われます。マンモグラフィでは腫瘤や石灰化が確認できます。石灰化とは乳房の一部にカルシウムが沈着したものです。形状と分布により良悪性を鑑別します。超音波検査は腫瘤の診断に有効です。特に若年女性に多くみられる高濃度乳腺における腫瘤の検出に優れます。マンモグラフィと超音波のどちらかでしか発見できない乳がんもあるため、精密検査では両方行うことが多いです。
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