resident physicians
初期臨床研修医について
医師としての豊かな人格を形成できるよう研鑽を積むことを目的に研修を行う。また医療人として社会に貢献できるよう、将来の専門性にかかわらず、日常診療で頻繁に遭遇する疾病や外傷を経験し、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身につける。
理念・基本方針
理念
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基本方針
医師としての豊かな人格を形成できるよう研鑽を積むことを
目的に研修を行う。また医療人として社会に貢献できるよう、
将来の専門性にかかわらず、日常診療で頻繁に遭遇する疾病や外傷を経験し、
プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身につける。
特徴
当院は、2007年3月に開院した横浜市東部の地域中核病院であり、1次・2次・3次の全てに対応した全次型救急から小児・周産期救急、精神科救急までカバーする充実した救急医療と、がん、心臓血管疾患、脳血管疾患などにも対応した高度専門医療を提供している。急激な高齢化など社会背景の変貌とともに高まる地域の医療ニーズのなかで、安全かつ有用な高度急性期医療を充実させるため、医療と福祉を踏まえた地域医療連携や、診療科や職種の枠を超えた新しいチーム医療を展開している。初期臨床研修は、将来いかなる領域を専門とするにしても医師である以上修得しておくべきプライマリ・ケア、初療対応のできる臨床医の育成を基本目標とし、そのため以下の点を重視している。
当院の特徴のひとつとして、救命救急センターおよびER型救急医療、小児科救急、三次救急を含む精神科救急など充実した救急医療があげられます。
研修医は全員1年目2か月、2年目1か月の計3ヶ月間救急科に配属され救命救急センターにて研修を行います。医師として必要な心肺蘇生法、ショックに対する救急処置を行うスキルを身につけることができます。全ての救急患者の初期診療にあたるため、診療科の枠を超えたプライマリ・ケアの基本を研修できます。また、2次、3次救急のみならず1次救急も対象としているため、1次救急患者のなかから至急で入院させるべき患者、帰宅させてもよい患者を選別する診断能力を養うことができます。Walk-inで来院した患者の中にも重大な疾患や病態が潜んでいることや、救急車で来院しても必ずしも重症とは限らない現場の実態も学びます。救命救急センターでの研修は、2年目研修医が、1年目研修医を指導しながら学ぶ機会も得られます(屋根瓦式教育)。救急現場では、上級医の元で、徹底したトリアージを行います。
当直は年間を通じて月4~5回程度の救急科(救命救急センター)当直に当たり、選択必修科の小児科、精神科の研修期間中は、それぞれの科の当直も並行して行います。
また、当院では救命救急センターに隣接し総合診療センターを設置しており、1年目研修の内科研修期間において、総合内科外来で指導医とともに一般外来研修を行います。これによりcommon diseaseの診療、プライマリ・ケアの修得ができます。
診療科や職種の枠を超えた診療体制のなかで、チーム医療を理解し、それぞれの役割を尊重し、その一員として自分の能力を発揮できるよう経験を積むことができます。
また、当院は横浜市東部地区の基幹病院として地域の他の医療・福祉機関との病診連携、病病連携、医療・福祉連携に力を入れており、地域の診療所や他病院の医師との症例検討会や疾患別勉強会が院内のカンファレンスルームで頻繁にかつ定期的に行われています。また、患者紹介元の開業医が病棟を訪れ、病棟主治医と意見交換することも頻回に行われています。これらのことを通して、研修医は受け持ち入院患者の入院前の状況、退院後の経過等を知ることができます。さらに地域における診療所と病院の機能分担や病診連携のあり方を理解することができます。
医療と福祉の連携を目指す済生会の理念のもと、公的医療機関として、社会福祉法人としての役割を生かし、社会的弱者に対して目を向け、積極的に手を差し伸べる幅広い対応をしています。研修医は、無料および低額診療、在日外国人福祉医療に携わることで福祉医療について体験、理解することができます。さらに回復期リハビリテーションなど、亜急性期から慢性期の医療連携についても、日常臨床の現場で学ぶことができます。MSWを含む多職種によるカンファレンスでは、常に長期的視点に基づく療養環境についての検討の実際を学びます。介護保険、特定疾患医療制度、身体障害者福祉法などに基づく社会資源の活用についても豊富な症例を通じて研修可能です。ケアマネージャーを軸に、在宅往診医、訪問看護師、ヘルパー、訪問理学療法士などとの、院外での多職種による連携についても学びます。介護保険では、診察室や病棟のみならず、自宅や院外でのADLと認知機能の適正な評価が重要であることも学びます。前述の救急医療から介護・福祉までの広い視野を養うことができます。
日々の臨床を通じて、疑問を大切にします。目の前の患者さんとの対話から自覚症状とその経過を聴取し、診察においては、自らの五感を鍛えながら観察者としての眼差しを大切にします。診療においても仮説をたてて、それを検証するために問診や診察を組立て、必要最小限の補助検査を援用する姿勢を学びます。臨床検査には、測定誤差やキャリブレーションなどの限界があること、画像診断にも、診断アルゴリズムや解析モデルの初期条件があり、適切な解釈なしでは誤った解釈を行うリスクがあることも理解する必要があります。
常に病態生理と鑑別疾患を考える診療姿勢を日常の研修やカンファレンスを通じ身につけます。Clinical questionを大切にして、疑問が生じたことをそのままにしないでEBM、成書、文献を追求する習慣をもつことにより、医学的知識と探究心の向上を図ります。この観点から、研修医も学会への症例報告を積極的に行います。可能であれば、院内において進行中の臨床研究などで、倫理的基盤や臨床疫学の実際にも触れ、EBMの効用と限界についての理解も深めます。
program
研修プログラム
研修期間:2023年4月1日~2024年3月31日(計52週)
1年次
・内 科:消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、腎臓内科、脳血管・神経内科、糖尿病・内分泌内科を各4週間
・救急科:8週間
・麻酔科:4週間
・外 科:8週間(消化器外科、血管外科、乳腺外科、救急外科)
・自由選択:4週間
・選択科:横浜市東部病院の全科、協力病院(東京大学医科学研究所 附属病院アレルギー免疫科、 鶴見西井病院
精神科)、地域医療研修先
2年次
・救急科:4週間
・地域医療:4週間
済生会神奈川県病院*、佐々木病院*、平和病院*から2か所 2週間ずつ、または国保名田庄診療所
(福井県)、済生会川俣病院(福島県)、済生会江津病院(島根県)、沖縄県立宮古病院*で4週間
・小児科・産婦人科
・精神科:各4週間(1年目に選択している場合はこの限りではない)
・自由選択
一般外来研修
・1年目の後半に決める地域研修先で、一般外来研修を経験できない地域研修先*を選択した研修医は、2年目で
週1回半年間、総合内科で一般外来研修を行う。
・1年目は1人1回程度経験する。
ローテーション例
当直
・2 年間通じて救命救急センター(ER)の当直を行う。(研修医2 ~ 3 名と指導医・上級医で計7 名体制)
・小児科研修中は小児科当直、精神科研修中は精神科当直もER当直と並行して行う。
研修終了後の進路について
3 年目以降、引き続き専門医を目指して研修を続ける希望がある者は、「済生会横浜市東部病院専門研修プログラム」に応募することができます。
Graduated college & Future Path
出身大学・進路
採用状況
研修修了後の進路(2007年~)
1. 就職先
◎済生会横浜市東部病院 12名
◎大学附属病院 98名
慶應大、千葉大、東京医大、東邦大、日本大、横浜市立大、東京女子医大、慈恵医大、
東京歯科大、 東京医科歯科大、順天堂大、新潟大、埼玉医大、札幌医大、昭和大、日本医大
※うち、20名は大学からの派遣で当院にて後期研修を行いました
◎他の市中病院 4名
2. 進路
内科(27名)、外科(27名)、心臓血管外科(3名)、脳神経外科(6名)、 整形外科(13名)、
呼吸器外科(1名)、皮膚科(1名)、形成外科(1名)、救急科(8名)、産婦人科(9名)、 小児科(9名)、麻酔科(3名)、放射線科(1名)、泌尿器科(3名)、眼科(1名)
training facility
研修施設
基幹型臨床研修病院
済生会横浜市東部病院
地域研修・選択研修施設
<協力型病院>
鶴見西井病院(横浜市鶴見区)
東京大学医科学研究所附属病院(東京都港区)
済生会江津病院(島根県江津市)
<協力施設>
済生会神奈川県病院(横浜市神奈川区)
済生会東神奈川リハビリテーション病院(横浜市神奈川区)
佐々木病院(横浜市鶴見区)
平和病院(横浜市鶴見区)
くにもとライフサポートクリニック(横浜市港北区)
名田庄診療所(福井県大飯郡)
沖縄県立宮古病院(沖縄県宮古島市)
済生会川俣病院(福島県川俣市)
seminar
勉強会
開催実績
実技研修
・CVトレーニング①②
・最初に出会う医療機器
・酸素療法
・人工呼吸器①~③
・【実践】こだわりの糸結び(入門編)
・【実践】人工肺/胸郭モデルを用いた肺切除
・胸腔ドレーン学
・救外での心エコー(手技編)
・シーネの巻き方 実技編
・縫合
・救急外来での気道確認方法と鼻血の止め方
・災害トリアージ、エコーについて
・腹部エコー(FAST含む)実技
・経管栄養剤について
・食形態
座学研修
・抗菌薬
・JATEC、ショックの初期対応
・創傷処理
・輸液管理
・コンサルテーション/プレゼンテーション
・ECGの見方(虚血性・不整脈)
・救外で使える固定の仕方 講義編
・ERで必要な泌尿器の疾患(血尿、精巣捻転etc)
・頭部外傷
・頭部CT・MRIの読影
・脳卒中、胸部レントゲンの読影
・なんでこんなデータが?-検査データの病態外変動-
・緩和ケアについて
・①感染症診療の基本ー救急外来を中心にしてー、
②血液培養
・文献の調べ方
・スライド作成のコツ!
・輸栄養について
・脳卒中
・頭部CT・MRIの読影
・研修医が読むべき本
・ATLS+burn management
・CVCI+DAM、ER診療の基本-頭部外傷-
・アナフィラキシー
・インフルエンザ
・外傷初期診療
・救急外来での診断学
・急性腹症について、ショック(敗血症など)
・敗血症
・電解質異常
・動脈血ガス
・腹部CTの読影
・アナフィラキシー
・めまい
・DPC勉強会
・処方箋オーダーのコツ!
・水と電解質
・漢方薬
・頭部外傷
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