TOPICS
2020年12月17日
読売新聞12月17日夕刊の「『隠れ脱水』警戒 マスクの冬水分十分に」記事に谷口センター長コメントが掲載されました。
2020年12月14日
NHK NEWS WEBのFacebookページに谷口センター長コメントあり「冬の体調不良、実は『かくれ脱水』が原因かも」(動画)がアップされました。
2020年12月10日
文春ムック『スーパードクターに教わる最新治療2021』に谷口センター長の「がん疼痛管理」記事が掲載されました。
2020年12月10日
コラム記事「脱水症に効く経口補水液とは?専門家に聞く脱水予防と摂取のコツ」が掲載されました。
2020年12月2日
NHK News Up 「コロナ禍の冬 “脱水”に注意を」の取材を谷口センター長が受けました。
2020年10月22日
現場で役立つ病態別輸液管理Q&A その1~5 をダウンロードできるようになりました。
その1/その2/その3/その4/その5
2020年4月25日
アセトアミノフェン静注液の定時投与の効果に関する英語論文が掲載されました。
2019年10月21日
【参加者募集】11/9(土)神奈川NSTフォーラム「実行型チーム医療Skill Mixを体感しよう」
2019年6月24日
『ヘルス・グラフィックマガジン vol.34』(株式会社アイセイ薬局 発刊)の熱中症特集の一部を谷口センター長が監修しました。
2019年6月17日
周術期栄養管理の今を知る さらなる麻酔管理の質向上を目指して Perioperative Optimization Strategiesを公開しました。
2019年4月15日
「臨床栄養」別冊 はじめてとりくむ研究発表・論文作成 を出版しました。
2018年11月13日
日本臨床麻酔学会 小坂二度見記念賞で優秀賞を受賞「わが国の麻酔領域におけるERASRの普及および効果に関する研究」を公開しました。
2018年2月21日
「麻酔科に求められる周術期における栄養戦略」が掲載されました。
2018年1月23日
周術期支援センターのAPSが推奨するアセトアミノフェン静注液の定時投与(SIVA)の論文がアクセプトされました。
2017年11月9日
食道癌手術に対するERASに関する英文論文が掲載されました
Effects of goal-directed fluid therapy on enhanced postoperative recovery: An interventional comparative observational study with a historical control group on oesophagectomy combined with ERAS program
2017年10月10日
第 58 回日本老年医学会学術集会最優秀演題賞受賞論文を公開しました自立在宅高齢者用かくれ脱水チェックシートの開発―介護老人福祉施設の通所,入所者を対象としたかくれ脱水に関する継続研究―日本老年医学会雑誌Vol. 54 (2017) No. 3 p. 381-391
2017年2月6日
研究業績を公開しました
【研究論文】手術侵襲と麻酔管理 ―術後回復促進を目指し、手術侵襲の軽減を目的とした麻酔管理― 外科と代謝・栄養 volume50 NO.5 P255-264 ,2016
【著書】周術期支援センターによる術後回復促進の試み ―TOPSによるDREAM project― 臨床栄養 130巻,1号,P40-47 ,2017年
患者支援センターの取り組み

上記動画はQRコードで読み込んでもご覧になれます。
当センターでは、全世界で取り組まれている患者さんを中心とした周術期管理プログラムである、術後回復能力強化(enhanced recovery after surgery : ERASR;イーラス)プログラムの概念を取り入れております。ERASRプログラムをわが国の医療体系に改変して患者さんの満足度を重視したプロトコールを実践しております。
入院前には、手術準備外来にてビデオと資料を用いて詳細な説明をさせていただきます。外来では、患者さんが万全の状態で手術に臨めるように準備をお手伝いさせていただきます。手術準備外来には、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士が常駐しておりますので、随時、ご質問にもお答えいたします。外来で得られた患者さんの病態に関する情報は、入院中に病棟スタッフおよび手術室スタッフで共有させていただきます。患者さんは、安心して入院していただけ、手術をお受けになれます。手術後には、術後疼痛管理(acute pain service: APS)チームが患者さんに痛みや吐き気の具合を伺う回診を行っています。当センターのスタッフ一堂、患者さんにできるだけ、痛くなく気持ち悪くなく快適な術後を過ごしていただけるようにサポートさせていただきます。
開設背景
わが国では、医師の手術技術の向上、内視鏡や腹腔鏡などの医療技術の進歩に伴い、患者さんの手術適応となる範囲が拡大されてきました。当院では、手術件数の増加に伴い、入院期間は短縮傾向にあります。しかし、術前術後の患者ケアの質は維持されないとなりません。質の高い患者ケアを実施するために医療者は、手術患者さんに対する術中・術後の安全性を向上させ、周術期の合併症を減らす必要があります。質の高いケアを効率的に実施するためには、周術期管理においてプロフェッショナルによるチームアプローチが必要となります。このような経緯により、当院では当センターを開設する運びとなりました。
目的
「当院で手術を受けられる患者さんに最も適した医療環境を提案し、安心で安全な周術期管理を支援し、患者さんの術後回復を促進させる」ことを目的に、2016年8月に開設。
当センターの愛称は、「Tobu Hospital Patient Support Center」略してTOPS(トップス)とし、手術準備外来を設置します。
センター構成
患者支援センターでは、「手術準備外来」、「術前経口補水療法チーム」、「術後疼痛管理チーム」の3つの組織によって、入院前から退院までの患者さんのQOL維持・向上を支援します。
当センターは、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士・臨床心理士・臨床検査技師・事務スタッフで構成され、主な役割は下記のようになります。
看護師
看護師は、手術を受ける患者さんの術前からのケアおよび指導を集中的に行い、手術に対する不安を最小限にし、患者さんに寄り添った看護を提供します。
■患者さんの情報収集
■心身の状態把握
■情報をもとに多職種でアセスメント
■入院中から退院後の生活を患者さんと共に考える
■入院生活に関する情報提供
薬剤師
薬剤師は、患者さんが安全に、かつ安心して手術を受けられ、術後も快適な入院生活を過ごしていただけるよう、以下の支援で患者さんの不安解消、情報提供に努めます。
■常用薬やサプリメントの服用状況確認
■せん妄を誘発する薬剤の服用状況確認
■術後悪心・嘔吐のリスク評価
■術前休薬を要する薬剤の服用状況確認
■薬や食物等のアレルギーに関する情報収集
■薬の副作用に関する情報収集
■術後に使用される薬剤(鎮痛薬や抗生物質等)の説明
管理栄養士
管理栄養士は、患者さんが手術前に適した栄養状態で且つ安全・安心な手術を迎えられるように術前の栄養状態を評価し、適切な支援を行います。
■栄養状態の評価(入院前の栄養状態スクリーニング・簡便なアセスメント、食事摂取状況の調査、身体計測等)の確認
■栄養状態のリスクがある患者さんへの術前栄養相談の実施
■クリニカルパスに基づいた入院中の食事の情報提供(術前術後の食事に関して、術前経口補水療法の説明、術後栄養相談の予定)
■術後の体重や食事摂取量の計画提案
■退院後のご自宅における食事内容の助言
歯科衛生士
歯科口腔外科では、口腔内細菌が原因となる手術後合併症(誤嚥性肺炎など)の予防や入院中の口腔内トラブル(歯の脱落・破折)予防のため、以下の治療・指導による口腔管理を実施し、安全で質の高い医療を支援いたします。口腔ケアは歯科医師、歯科衛生士により実施されます。
■口腔内検査
■動揺歯の有無確認(必要に応じて歯牙固定、マウスガード作製)
■セルフケア指導
■専門的口腔ケア(セルフケアでは除去困難な歯垢、歯石除去)
■感染源となる歯の抜歯
■かかりつけ歯科と連携した口腔管理
医師
医師は、スタッフから得られた情報をもとに手術リスクを判定し、主治医と連携をとりながら手術に向けた準備をサポートします。必要に応じて栄養療法や中止薬剤の指導を実施します。また、患者さんからの不安や疑問に対して、医師の立場から情報提供を行います。スタッフと情報共有を行い、患者さんが、手術後に早期離床および経口摂取ができるように術後回復に向けた支援を実施します。
<スタッフ紹介>
患者支援センター長 |
専門分野 |
麻酔、集中治療、栄養、周術期管理 |
|
学会専門医・認定医 |
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日本麻酔科学会専門医・指導医 |
|
医員 |
専門分野 |
麻酔一般 |
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学会専門医・認定医 |
|
日本麻酔科学会認定医・専門医 |
当院で手術を受ける方へ
大腸がんや胃がん手術など、消化器外科による手術を受けられる患者さんを例に、入院→手術→退院の一連の流れを解説しております。
手術準備外来のご案内
実際の手術準備外来のようすを解説しております。
術後疼痛管理チーム(Acute Pain Service : APS)
院内にAPSがあることで、安心して術後を過ごせます。
1.術後の痛みが軽減されます
2.術後の吐き気が軽減されます
3.もし、痛くても、気持ち悪くても、すぐに対応できます
世界的な調査によれば院内にAPSがあることで、患者さんの回復(動くことや、食べること)が早まることがあきらかにされています。当院にはAPS(通称;エーピーエス)があるので、手術後の疼痛管理(痛い)と悪心嘔吐(気持ち悪い)対策が十分に行なわれています。手術翌日(土日祝日は除く)の朝には、麻酔科医師、薬剤師、看護師および管理栄養士の4名から構成されるAPSが、患者さんのベッドサイドまで伺います。手術の後の痛みや、吐き気について伺い、万が一、痛いとか気持ち悪い場合には、すぐに対応いたします。痛くて動けない、気持ち悪くて食べられないことがないようにAPSは患者さんを支えます。
当院のAPSは手術準備外来のスタッフと同じメンバーで構成されていますので、手術準備外来において、術後の痛みや吐き気の程度とその対応策を十分に説明いたします。患者さんには、術後の痛みや吐き気に対する不安があるのは当然で、その不安や疑問を解決して安心して手術にのぞんでいただきます。
TOPSのAPSは、院内で次のような役割を担っています。
1.手術翌朝の痛みと吐き気の回診
2.手術後に痛みや吐き気が起こった時の初期対応
3.クリニカルパスにおける術後疼痛管理の提言
具体的な疼痛管理
当院では、患者さんに痛みが出現する前から疼痛管理を実施しています。手術中から硬膜外麻酔や静脈麻酔によって鎮痛が行われ、術後も定期的に鎮痛剤を投与しています。鎮痛剤は、副作用が最も少ないと言われているアセトアミノフェン製剤を主に使用しています。その他、患者さんの痛みの程度によって様々な鎮痛剤を選択します。(図1)
具体的な吐き気対策
当院では、患者さんに吐き気が起きる危険性を手術準備外来を受診した時点で伺います。術後に吐き気の危険性が高い場合には、手術室に連絡が行き、麻酔科医師が手術中から術後の吐き気対策を行います。万が一、手術後に吐き気が起こっても、すぐに対応できる準備がされています。(図2)
当院の成績
APSがあることで手術後のできるだけ早い時期から、飲める(Drinking)、食べられる(Eating)、動ける(Mobilizing)のDREAMが実現されています。消化器外科(胃、大腸、食道、膵臓など)の手術患者さんの手術翌朝時点での痛みは10人に1人、吐き気は10人に2人程度と、非常に少ないことを日本臨床麻酔学会誌(2017年)に発表いたしました。
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