患者さん・ご家族の皆様へ

2022年9月5日

アモキサピン製剤における “発がん性の可能性がある物質”の検出について

うつ病・うつ状態治療剤である　「アモキサンカプセル」「アモキサン細粒」にて、“発がん性の恐れがある物質”であるN-ニトロアモキサピン（以下、ニトロソアミン類）が混入していることが明らかとなり、処方薬の切り替え期間を設けたうえで、2023年2月に出荷停止・自主回収が行われることになりました。

＜対象となる製剤＞

• アモキサンカプセル10mg　　　　　　　　●アモキサンカプセル25mg
• アモキサンカプセル50mg　　　　　　　　●アモキサン細粒10％

当院で処方箋を交付し、現在服用中の患者さんは服用中止により離脱症状等を生じる可能性があるため、ご自身の判断で本剤の服用を中止することなく、担当の医師または薬剤師にご相談下さい。

販売企業から患者さんへのご案内文書は、こちらより確認ください

＜当院としての見解＞

　ニトロソアミン類は肉や乳製品、野菜を焼き加工した食品などにも含まれていることが知られており、通常我々の日常生活においてある程度摂取しています。ニトロソアミン類を長期間にわたって許容範囲を超えて摂取し続けた場合に、発がん性のリスクを高める可能性があるとされています。今回検出されたN-ニトロソアモキサピンが発がん性を有するかは不明です。

　現在、当院では一部の患者さんに処方されていますが、出荷停止も予定されており、今後継続して服用することが困難であるため、新たに本剤による治療開始は行わず、現在服用中の患者さんは診察時に状況を確認しつつ、随時、他の薬剤への変更を考えております。

　ご心配・ご不明な点などございましたら、当院までご遠慮なくご相談ください。

済生会横浜市東部病院

院長　三角 隆彦

（2022/9/1　薬剤部作成）