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「メトホルミン塩酸塩」における発がん物質の検出に対する対応について(第3報)

患者さん・ご家族の皆様へ

 経口糖尿病用剤である「メトホルミン塩酸塩」について、製剤に発がん性の恐れがある物質であるN-ニトロソジメチルアミン(以下、NDMA)が混入していたため、販売メーカーが自主回収を行っており、9月16日付で対象製剤が追加されたことについては既報の通りですが、今般10月19日付で厚生労働省より本件に関する健康への影響評価の結果が報告されましたので、以下に要約をお示しいたします。

 

【回収対象薬品について】

  • 製造販売業者による分析の結果、自主回収を実施した製剤以外は、暫定基準値を上回るNDMAが検出されないことが確認されました。

 

※自主回収対象製剤については『「メトホルミン塩酸塩」における発がん物質の検出に対する対応について(第2報)』より変更・追加はございません。

https://www.tobu.saiseikai.or.jp/news_b/22482/

 

【NDMAが生成された原因および対策】

  • 大日本住友製薬株式会社及び日本ジェネリック株式会社の製剤に関しては、錠剤シートのアルミ箔の印刷インクに含まれるニトロセルロース系樹脂由来の物質が要因であることが示唆されていますが、東和薬品株式会社及び日医工株式会社による分析結果及び原因調査の結果では、該当製品の錠剤シートではニトロセルロースを含む印刷インクを使用していないこと等から、上記とは別の要因によりNDMAが検出された可能性が示唆されています。
  • NDMAが生成された原因については解明されておりませんが、現在各国の規制当局が協力し調査を進めているところです。尚、現在流通している製剤については製造販売業者より錠剤シートのインク成分の変更、及び出荷前に全製剤の分析を行い、NDMAをモニタリングするなどの対策がとられています。

【メトホルミン製剤の服用による健康への影響評価】

  • メトホルミン製剤 1500mgを10年間毎日服用したときの理論上の発がんリスクは、およそ 55 万人に一人(00018%)が生涯(70 年間)で過剰にがんを発症する程度のリスクに相当すると評価されました。
  • メトホルミン製剤服用の中止により様々な合併症のリスクが生じる可能性があり、このようなリスクは微量のNDMAによる影響より極めて重大であることから、自己判断による服用中止をしないよう国内・海外いずれの当局からも一貫した注意喚起が行われています。

以上に関する詳細につきましては以下のリンクより参照いただけます。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000677171.pdf

 

【当院の見解】

当院より処方されたメトホルミン製剤に関しまして、本件を理由とした服薬の中断は適切ではなく、処方通り服用いただくことが望ましいと結論付けております。

以上をご理解いただき、本剤を服用されている患者さんにおいては引き続き用法用量を遵守し適切な治療を継続されますようお願い申し上げます。

 

ご心配・ご不明な点などございましたら、当院までご遠慮なくご相談ください。

 

済生会横浜市東部病院

院長 三角 隆彦

(2020/10/26 薬剤部作成)

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