Evolut弁が透析患者さんで使用可能となりました
2025年08月18日ニュース
Evolut弁が透析患者さんで使用可能となりました
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は、大動脈弁狭窄症と呼ばれる弁膜症に対する治療法で、主にご高齢の方や体力の低下した方が対象となります。
本邦の特徴として末期腎不全による透析患者さんが諸外国よりも多いことが挙げられます。
近年まで透析患者さんの大動脈弁狭窄症においては外科的大動脈弁置換術が標準治療であり、TAVIは適応がありませんでした。
しかし透析患者さんは様々な合併症を有する方が多く、しばしば外科的大動脈弁置換術が困難な患者さんがいらっしゃいます。
そこで、本邦では2021年より、Edwards社製SAPIEN弁が透析患者さんで使用可能となり、当院でも主に外科的大動脈弁置換術の実施が困難な透析患者さんに対して同弁を用いたTAVIを実施して参りました。
今回、施設基準を満たしたことにより、当院ではMedtronic社製Evolut弁も透析患者さんで使用することが可能となりました。
Evolut弁、SAPIEN弁にはそれぞれ長所・短所があり、各患者さんによって最適な弁を選択しTAVIを実施します。
透析患者さんでEvolut弁が使用可能となったことにより、より多くの重症大動脈弁狭窄症を有する透析患者さんにTAVIが実施可能になり、またより適切な治療を行える可能性がございます。
東部病院弁膜症治療センターでは、今後も最新の治療を積極的に導入し、多くの治療選択肢をもつことでそれぞれの患者さんに最適な治療法を追求して参ります。
文責:弁膜症治療センター 循環器内科 医長 山口航平