心臓血管外科 飯田泰功部長が第66回日本脈管学会総会にて優秀賞を受賞
2025年10月20日ニュース
心臓血管外科 飯田泰功部長が第66回日本脈管学会総会にて優秀賞を受賞
2025年10月16・17日に都市センターホテル(東京都)で行われた第66回日本脈管学会総会にて、当院心臓血管外科の飯田泰功部長が優秀賞を受賞しました。
演題は「ステントグラフト内を流れる血流によって生じる動的な復元弾性力の測定とdSINEへの影響」です。
動脈瘤の治療で血管内に留置されるステントグラフトは、血管の中で円筒形に膨らみ、動脈瘤にかかる圧力を防ぎます。しかし、ステントグラフト内を血液が流れるとき、実はその流れ自体がステントグラフトを押し広げようとする力(動的な復元弾性力)を生んでいます。
そこで本研究では、血流がステントグラフトに与える力を医工学連携をして精密に測定し、それがステントグラフトの留置後に起こることがある合併症の一種、特に「dSINE(ディーサイン)」と呼ばれる、ステントグラフト挿入後にできる新しい血管損傷にどのように影響するかを調べました。
その結果、血圧、血流によって生じるこの動的な力が、ステントグラフトを不安定化させる一つの重要な要因であることが示されました。
本研究は、より長持ちし、合併症の少ない次世代のステントグラフトを開発するための設計指針となるものと意義が認められ、受賞に至りました。
受賞に際して飯田部長は「この度は、栄誉ある賞をいただきありがとうございました。普段日常診療で感じていた疑問を医工連携することで、定量化、具現化できた事は非常に大きな喜びでした。共に研究に携わっていただきました、桐蔭横浜大学医用工学部佐藤敏夫先生のグループ、ならびに関係各位の皆様に深く感謝いたします」と話しました。