研修各科プログラム – 腎臓内科

はじめに

腎臓内科医の役割は大きく分けて2つ存在する。第1に腎臓病患者(急性・慢性及び一次性・二次性を含め)に対する診断と治療の実践であり、第2に末期腎不全に至り透析医療の恩恵を受けている患者さんの合併症に対する対応である。
第1の役割を果たしうる腎臓内科医として腎疾患に対する深い知識を要する一方、第2の役割を果たす為には多岐にわたる透析患者さんの合併症に対する幅広い知識と診療実績を積むことが必要とされる。
当院のプログラムでは腎臓内科のみならず総合内科及び他の診療部門とも連携した臨床研修を行うことにより上に掲げたバランスの良い腎臓専門の内科医を養成する事が可能である。

研修目標

A )一般目標

内科的疾患を偏りのなく経験し、内科専門医として十分な知識・診療技術を研鑽する。
更には腎臓専門医・透析専門医として十分な腎臓病・透析医療に関する診療技術を学ぶ。

B )後期研修3年間の目標と研修内容

1)1年次(卒後3年目)

原則として総合内科もしくは他の内科系診療科へのローテーションを中心に研修を行う。
頻度の高い内科的疾患を偏りなく経験し日本内科学会認定医・専門医資格を取得す為に必要かつ十分な症例経験を積むことを主たる目的とする。
院内症例検討会、学外の学会・研究会への積極的な参加を行い日常診療のみならず学術的活動にも経験を積む。

2)2年次(卒後4年目)

腎疾患・透析患者を中心とした診療を行う。同時に一般・総合内科における研修も並行してあるいは希望によりローテーション方式で行う。病棟においては腎臓内科・透析専任指導医・上級医と共にチームとしてより多くの患者を診療することにより経験を積む。

経験すべき診察法・検査・手技

1)血尿、蛋白尿などの原因について検査計画を立案する
2)腎機能検査を評価することができる
3)IVP、CT、MRIなどの腎X線画像診断ができる
4)腎尿路超音波検査の実施と診断ができる
5)指導医・上級医指導のもと腎生検を行うことができる
6)臨床病理学的な基本的病変を把握できる
7)腎炎、ネフローゼ、高血圧、糖尿病、腎不全の食事、薬物療法の立案ができる
8)血液浄化療法、腹膜透析の管理ができる
9)透析療法の導入計画を立案できる
10)透析患者の特異的・非特異的合併症に習熟し適切な対応ができる
11)腎不全患者の術後管理ができる
12)体液・電解質異常の患者の治療立案ができる

3)3年次(卒後5年目)

腎疾患・透析患者に対してより専門性を高めた研修を行う。上に挙げた疾患・病態を不足なく経験し日本腎臓学会・日本透析医学会専門医の資格を得るに十分な診療経験を積む。またこれらの学会あるいは研究会に積極的に参加し指導医・上級医指導のもと学会発表も定期的に行う。

定期院内外行事
A. 内科症例検討会 週1回
B. 腎臓内科カンファランス 毎日
C. 腎組織検討会 週1回
D. 透析センタースタッフ合同カンファランス 週1回
E. 腎臓病教室 月1回
F. 済生会東部・南部・神奈川県病院合同勉強会 2か月に1回
G. 東邦大学関連病院腎病理検討会 6か月に1回

研修修了後のコース
腎臓内科専修医として東邦大学腎臓学教室および関連病院(当院を含む)への推薦が可能

研修協力病院
東邦大学医療センター大森病院腎センター
済生会神奈川県病院腎臓内科・透析センター
済生会横浜市南部病院内科
富士重工健康保険組合総合太田病院腎臓内科
川崎社会保険病院腎臓内科