救急科専門研修プログラム(基幹施設)
2017年度の救急科専門研修プログラム
日本救急医学会は、2016年8月2日に、2017年度の救急科専門医制度を以下の通り実施することを表明しており、当院救急科の後期研修医募集についても、これに従って行ないます。(参考:「日本救急医学会」サイトhttp://qqka-senmoni.com/2773)
- 現行制度(従来ブログラム)は2017年度も継続します。
- 救急医学会が既に一部実施してきた病院群ネットワークの基づく事前登録制[新プログラム(日本救急医学会承認・救急科専門研修プログラム)]も並行して実施します。
つまり、2017年度に救急科専門研修を開始する医師については、2通りの研修方法があります。1)の従来プログラムでは、事前登録は不要ですが、専門医資格申請時に一次審査(救急勤務歴)と二次審査(診療実績)の診査を経てから、三次審査(筆記試験)の受験資格を得ることが出来ます。2)の新プログラムでは、プログラムに事前登録し、プログラムを修了することで筆記試験を受験することが出来るようになる予定です。
参考までに、日本専門医機構は、2016年8月5日の第四回理事会において、各診療科の2017年度の専門研修の方針を以下のように示しています。
- 従来プログラムで施行:11学会(内科、皮膚科、精神科、外科、産婦人科、眼科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、臨床検査、リハビリテーション科)
- 従来プログラムと新プログラム(日本救急医学会承認・救急科専門研修プログラム)の両者で施行:3学会(整形外科、救急科、形成外科)
- 新プログラムで施行:3学会(小児科、耳鼻咽喉科、病理診断科)
救急科の紹介
東部病院の救急科の歴史は、済生会神奈川県病院交通救急センターの設立までさかのぼることができます。昭和40年(1965年)に設立された交通救急センターは、日本医科大学や大阪大学と共に日本の救急医学のルーツと言われ、日本の救急医療、とくに重症外傷診療の歴史とともに歩んできました。2007年の東部病院開院後は東部病院救命救急センターが、その機能と歴史と伝統を引き継いでいます。現在の東部病院救急科も以下の3つの部門に代表されるような、日本でも屈指のレベルを誇る、先進的救急部門として活動しています。
- 救急・外傷外科(Acute Care Surgery)部門では重症外傷患者の診療に加えて、急性腹症などの内因性緊急手術も担っていて、外科と連携をしながら、救急科で日常的(年間約500件)に緊急手術をしています。このような外傷と救急を組み合わせた外科部門は、今世紀になって米国でAcute Care Surgeryという新しい概念として生まれたもので、最近では日本でも注目されるようになりました。東部病院はいち早くこの概念の下に部門を立ち上げ、2010年に第2回日本Acute Care Surgery研究会、2017年には第31回日本外傷学会総会・学術集会を主催するなど、日本を牽引する部門として存在感を発揮しています。(ぜひご覧ください→『腹部外傷の臨床』元済生会神奈川県病院院長著 ※現在絶版)
- 救急放射線IVR(Emergency Radiology, Interventional Radiology)部門は、救急科専門医、放射線科専門医、IVR専門医の資格を持つ指導医のもと、読影と緊急IVRを担っています。救急と外科部門と同様、救急と放射線・画像部門の密接な協力関係も東部病院の特徴で、救急科の医師も術者として多くの緊急IVRに携わっています。DIRECT研究会(Diagnostic and Interventional Radiology in Emergency, Critical care, and Trauma:救急医療における画像診断とIVRを考える会)の事務局として数多くのセミナーを主催するなど、東部病院はこの部門でも日本のトップレベルとして注目されています。
- 救急集中治療(Emergency & Critical Care)部門では、救命救急センター病棟に入院したあらゆる重症患者の診療にあたります。救命救急センターに入院する年間千数百人の患者の9割以上で救急科が主科となり、PCPS, ECMO, 血液浄化などの高度な集中治療も自科で担当しています。東部病院救命救急センターは平成28年から日本集中治療医学会専門医研修認定施設としても指定され、救急科専門医取得後の集中治療専門医取得も視野に入れながら研修を積むことが可能になりました。
他の病院にない、特筆すべき東部病院の特徴としては、2014年に横浜市重症外傷センターに指定されたことです。これは米国の外傷センターのシステムを参考に作られた制度で、横浜市内の9カ所の救命救急センターのうち、重症外傷患者に対する緊急手術、IVR、集中治療を行うスタッフや体制が充実している2カ所のみ(横浜市立大学市民総合医療センターと東部病院)を重症外傷センターとして指定し、地域の重症外傷患者が集約されるようになりました。このように地域全体で取り組んでいる重症外傷センターのシステムは、本邦ではまだ横浜市しかありません。その重症外傷センターに東部病院が指定されているということは、東部病院が通常の救命救急センターの機能にとどまらず、さらにその上を目差していると言うことを如実に示しています。
災害医療にも積極的に活動しています。日本DMAT隊員に院内で17人が登録されていて、この数は神奈川県内でも最も多い病院の1つです。昨年の東北・北関東豪雨、今年の熊本地震でもDMAT隊員をのべ14人派遣しています。
♦︎厚生労働省が発表した『2018年 救命救急センターの評価結果について』において、東部病院同センターは、全国289施設の救命救急センター中12位、大学病院以外では全国3位にランクインしました。
東部病院の救急科専門研修プログラム
▶新プログラム(日本救急医学会承認・救急科専門研修プログラム)
当院が基幹施設の場合の連携施設:済生会神奈川県病院、平塚市民病院
当院が連携施設の場合の基幹施設:慶應義塾大学病院
募集要項
- 定員 若干名
- 応募期間 10月1日~10月31日
- 選考・採用者決定 11月1日~11月30日