消化器内科
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消化器内科について
上部・下部消化管、肝胆膵の消化器系疾患全般の診療を行います。 外来および病棟は外科と一体になった「消化器センター」で診療を行い、 患者さん一人ひとりに対し標準化された最適な治療法の選択・組み合わせで対応しています。 特に早期食道がん、早期胃がんに対する内視鏡的治療、 C型・B型慢性肝炎の抗ウィルス治療、肝がんの早期発見と治療に力を入れています。2011年より、がん治療方法の一つとして、低侵襲で行えるサイバーナイフ治療を行っています。 また、胆道がんに対しては側視鏡を用いて治療を行い、 膵がんに対しては超音波内視鏡診断、生検を積極的に行っています。
消化器内科で診る病気
上部消化管
食道がん、食道潰瘍、逆流性食道炎、食道・胃静脈瘤、胃がん、 胃ポリープ、胃粘膜下腫瘍、胃・十二指腸潰瘍、ヘリコバクタ・ピロリ感染性潰瘍、上部消化管出血 など
下部消化管
大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、 虚血性腸炎、感染性腸炎、下部消化管出血 など
肝臓
急性肝疾患
(A型急性肝炎、B型急性肝炎、C型急性肝炎、薬物性肝障害、アルコール性肝障害、他)
慢性肝疾患
(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、NASHなどの脂肪性肝疾患、他)
肝硬変、肝がん、肝膿瘍 など
膵・胆道系
胆石(胆嚢結石、総胆管結石)、胆管がん、急性・慢性膵炎、膵臓がん など
診療内容と特色
診療科の枠を超えた最適な治療法を提供します
患者さん一人ひとりに対し、内科・外科・放射線科などの診療科の枠を超えて、標準化された最適な治療を包括的に提供します。さらに、消化器センターに隣接している内視鏡室や画像診断センター、化学療法センター、緩和ケアセンターなどの専門スタッフをメンバーとするチーム医療体制を敷くことで、患者さんを主体としたオーダーメイドの医療を目指しています。例えば、手術不能の進行胃がんの場合でも、まず内科で抗がん剤治療を行い、手術可能なステージまでがんの病勢を抑えこみ、その後に外科で手術を行なうこと、離れた部位に進行大腸がんと大腸腺腫(または早期の大腸がん)が存在する場合に、まず大腸腺腫の方を内科で内視鏡治療で切除し、続いて外科で大腸切除術を行うことによりなるべく切除範囲を小さくできること、食道がんの手術後に抗がん剤治療と放射線治療を行い、がんを完全に治すことなど包括的なチーム医療によってがん治療の可能性はどんどん広がっています。
「肝炎治療ネットワーク」を地域に展開し、ダブル主治医制を推進しています
前身の済生会神奈川県病院内科のときから、慢性肝疾患患者さんの診療に、かかりつけ医と当院専門医とのダブル主治医による診療システムである「肝炎治療ネットワーク」を全国に先駆けてを採用しています。通院の便がよく、患者さんの日頃の健康状態をよく知るかかりつけ医(ホームドクター)と、当院の専門医との二人で役割分担して一人の患者さんを診ることにより、地域における肝臓がん撲滅を目指したきめ細かい長期フォローアップを実現しています。また、このシステムを肝疾患に限らず、がんも含む消化器系慢性疾患全般に広げています。
早期胃がん、大腸がんに対する内視鏡的治療
当院では、早期胃がん、胃ポリープ、早期大腸がん、大腸ポリープの内視鏡切除は消化器内科が担当しています。早期胃がんに対しては主に内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)を、胃ポリープ゚(胃腺腫)に対しては主に内視鏡的粘膜切除術(EMR)の治療を行います。入院期間は5日~7日程度です。大腸ポリープ(腺腫)に対しては、内視鏡的ポリペクトミー、EMR、ESDのいずれかを形や大きさによって選択します。大腸ポリープのうち腺腫という種類のものは、内視鏡的に切除してみるとその一部に顕微鏡でがんがみつかることがしばしばあります。特にある大きさ以上のものではその確率が増えるので、そのようなポリープは原則として入院のうえ内視鏡切除を受けていただくことをお勧めしています。入院期間はほとんどの場合で1泊2日、一部で2泊になります。
肝臓がんに対する内科的治療
肝臓がんは毎年全国で約3万5千人の方が亡くなっている死亡率の高いがんです。肝臓がんの患者さんのうち、80%以上の方がC型肝炎、約10%の方がB型肝炎を原因として発症しています。そこで、将来の肝臓がん撲滅を目指し、前述の医療連携システムを活用して、地域の中のC型・B型肝炎患者さんの早期発見、治療、フォローアップを行っています。C型慢性肝炎に対してはペグインターフェロン・リバビリン併用療法などのインターフェロン治療を年間約50例導入しました。C型肝炎ウイルスにはタイプが2種類(グループⅠ、Ⅱ)あり、当院の過去の治癒率としてはグループⅠが62%、グループⅡが85%です。2012年度よりグループⅠに対して3剤併用治療(ペグインターフェロン、リバビリン、テラプレビル)も行っており、より良い治療成績が得られるものと思われます。B型慢性肝炎に対する抗ウイルス治療も核酸アナログ製剤内服またはインターフェロン注射を中心に積極的に行っています。 肝臓がんに対しては、ラジオ波焼灼治療(RFA)、肝動脈塞栓術(TACE)、抗がん剤内服治療を行っています。また新しい治療法として、2011年12月より開始した最新の定位放射線治療サイバーナイフが1年間で40件。基本的には腫瘍径30mm以下3個まで、50mm以内1個を適応として肝予備能を評価し治療を行っています。今まで局所治療をあきらめていた門脈本幹の腫瘍栓症例3例に対してサイバーナイフ治療を行い、2012年11月までいずれも再発なく良好な局所制御を得ています。転移性肝がんも原発巣がコントロールされていれば積極的にサイバーナイフ治療を行っています。
消化管出血に対する緊急内視鏡止血治療を24時間365日対応しています
胃・十二指腸潰瘍からの出血に対するクリッピングやエタノール注入、食道・胃静脈瘤破裂に対する内視鏡的結紮術(EVL)および内視鏡的硬化療法(EIS)などの緊急内視鏡的消化管止血術を24時間365日対応で年間約200例施行しています。
施設認定
日本内科学会認定教育施設、日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会指導施設、日本肝臓学会認定施設
診療実績
2011年度 | 2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度(2月、3月除く) | |
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初診患者数 | 1,704 | 1,708 | 1,995 | 2,298 | 2,269 | 2,216 | 2,305 | 2,289 | 2,419 | 1,732 |
紹介患者数 | 1,485 | 1,417 | 1,588 | 1,706 | 1,845 | 1,888 | 1,747 | 1,755 | 1,924 | 1,278 |
2011年度 | 2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度(2月、3月除く) | |
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C型慢性肝炎インターフェロン治療 | 65 | 34 | 19 | 63 | – | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
C型慢性肝炎DAA治療< | – | – | – | – | 114 | 76 | 49 | 38 | 28 | 20 |
肝細胞がんラジオ波焼灼術 | 16 | 3 | 4 | 2 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 |
肝細胞がんサイバーナイフ治療 | 9 | 44 | 51 | 47 | 35 | 54 | 50 | 37 | 33 | 22 |
転移性肝がんサイバーナイフ治療 | – | 8 | 11 | 17 | 12 | 15 | 9 | 4 | 5 | 6 |
肝細胞がん肝動脈塞栓術 | 83 | 64 | 50 | 47 | 35 | 41 | 21 | 12 | 17 | 7 |
内視鏡総件数 | 7,481 | 7,617 | 7,642 | 7,455 | 8,225 | 9,093 | 8,160 | 8,421 | 8,411 | 6,739 |
上部内視鏡 | 4,980 | 4,918 | 4,944 | 4,848 | 4,726 | 4,778 | 4,471 | 4,647 | 4,637 | 3,665 |
下部内視鏡 | 2,183 | 2,311 | 2,408 | 2,607 | 2,827 | 2,766 | 2,921 | 2,961 | 3,058 | 2,438 |
超音波内視鏡 | 43 | 66 | 54 | 65 | 183 | 114 | 245 | 235 | 214 | 215 |
ERCP | 234 | 271 | 232 | 295 | 449 | 450 | 488 | 554 | 482 | 421 |
食道EMR・ESD | – | – | 19 | 9 | 12 | 15 | 22 | 22 | 18 | 22 |
胃EMR・ESD | 85 | 98 | 64 | 95 | 82 | 90 | 68 | 75 | 69 | 70 |
大腸ポリペクトミー・EMR・ESD | 384 | 408 | 490 | 576 | 647 | 626 | 549 | 620 | 812 | 700 |
上部内視鏡止血術 | 210 | 240 | 188 | 156 | 137 | 184 | 232 | 291 | 235 | 170 |
食道・胃静脈EVLまたはEIS | 37 | 52 | 45 | 38 | 42 | 60 | 47 | 69 | 20 | 21 |
胃瘻造設 | 93 | 81 | 47 | 35 | 37 | 54 | 77 | 66 | 40 | 35 |
ERCP:内視鏡的逆行性膵胆管造影および治療
ESD:内視鏡的粘膜下剥離術
EMR:内視鏡的粘膜切除術
EVL:内視鏡的静脈結紮術
EIS:内視鏡的静脈瘤硬化療法
スタッフ紹介
部長 |
専門分野 |
消化器肝臓内科 |
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特に専門としている分野 |
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内視鏡診断全般、慢性肝不全、門脈圧亢進症 |
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学会専門医・認定医 |
|
日本内科学会認定医・指導医 |
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副部長 |
専門分野 |
消化器肝臓内科 |
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特に専門としている分野 |
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肝胆道・膵疾患の内視鏡治療、胆道癌・膵癌の内科的治療、消化器・肝胆膵疾患全般 |
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学会専門医・認定医 |
|
日本内科学会専門医・指導医 |
|
副部長 |
専門分野 |
消化器肝臓内科 |
|
特に専門としている分野 |
|
炎症性腸疾患、下部消化管疾患、消化器・肝臓疾患全般 |
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学会専門医・認定医 |
|
日本内科学会認定医・指導医 |
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医長 |
専門分野 |
消化器肝臓内科 |
|
特に専門としている分野 |
|
胆膵疾患の診断および内視鏡治療、胆道癌・膵癌の内科的治療 |
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学会専門医・認定医 |
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日本内科学会認定医・指導医 |
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医長 |
専門分野 |
消化器肝臓内科 |
|
特に専門としている分野 |
|
消化管内視鏡診断・治療 |
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学会専門医・認定医 |
|
日本内科学会総合内科専門医 |
|
医長 |
専門分野 |
消化器肝臓内科 |
|
特に専門としている分野 |
|
消化管内視鏡診断・治療 |
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学会専門医・認定医 |
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日本内科学会認定内科医 |
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専攻医 |
専門分野 |
消化器内科 |
|
学会専門医・認定医 |
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厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会修了 |
|
専攻医 |
専門分野 |
消化器内科 |
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学会専門医・認定医 |
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厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会修了 |
|
専攻医 |
専門分野 |
消化器内科 |
|
専攻医 |
専門分野 |
消化器内科 |
|
学会専門医・認定医 |
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厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会修了 |
|
専攻医 |
専門分野 |
消化器内科 |
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学会専門医・認定医 |
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日本救急医学会ICLS修了 |
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専攻医 |
専門分野 |
消化器内科 |
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学会専門医・認定医 |
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厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会修了 |